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IPO株にまつわる不都合な真実

10年以上前の出来事です。

知人で自分の資産4~6億円を運用している人がいました。

 

彼から、

「仮名村さん、私はIPO株がよく当たるんですよ。

 もうこれで、20連続以上、抽選で取得できています。」

と言われて、

”まさか?”

と思って確認すると確かに取得し続けているようです。

(※実際には抽選というより、

 別枠で配られていたということのようです。)

 

彼は年間で10数銘柄程度のIPO株を取得して、

1銘柄で数10万円利益を出していますので、

年間で数百万円儲けていました。

 

なぜ、こうなるのか?

その理由は、証券会社の立場から考えれば

分かりやすいです。

 

例えば、

5億円を運用する投資家1人を顧客にするのも

500万円を運用する投資家100人を顧客にするのも

運用額でみれば、どちらも同じ5億円です。

 

そうであれば、1人の方が100人を相手にするより

効率が良く、経費も掛からない訳です。

また、1人に100人分の手間や予算を使うことも出来ます。

 

という訳で、

彼は年間数百万円の接待を受けていたということです。

店舗型の従来型証券会社では、

大口客に裁量配分できる枠があります。

 

当時、A氏は

新卒社員の年収以上をIPO株だけで儲けていた訳で、

その事実が私に資本主義社会の現実を

教えてくれました。 

大きな資産を店舗型の証券会社で運用している人:100%当たり続ける人(資産家・資本家)

小口をネット証券で頑張って運用している人:数%の確率でしか当たらない人(庶民・一般人)

 

非常に残念ではありますが、これが「資本主義」の現実です。

お金がお金を産むシステム、

トマ・ピケティ氏が言うところの【r>g】です。

 

『この不等式が意味することは、資産 (資本) によって得られる富、つまり資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早いということだ。言い換えれば「裕福な人 (資産を持っている人) はより裕福になり、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」というわけだ。』

大和ネクスト銀行コラムより)

 

このIPOのやり取りは、

私に現実と知らしめた事件でもありました。

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